ストレスを力に変える

こんにちは!
先日、リュックの中で水筒の蓋が開いて水浸しになった岡田です( ;∀; )

もし皆さんに同じような事が起こったらどう感じますか?
ショックで一日中落ち込んで過ごすか、笑い飛ばして会話のネタにするか。
出来事は変えられなくても、その後の過ごし方やモチベーションは自分自身で選択できます!

ちなみに私の場合は、一瞬焦って冷静になり、急いで床を拭き掃除し、今はブログのネタとして活用しています(笑)
一番焦ったのは、これが “ひら屋の玄関で起こった事” だということです(;゚Д゚)ゴメンナサイ!!
そしてこの水浸し事件はかれこれ5回目くらいなので、いい加減水筒を買い替えようと思います(笑)

ちょっと前置きが長くなりましたが、今回はストレスをプラスに変えていく方法についてお話していきます!

チャレンジ反応について

ストレス反応にはいくつか種類があり、そのうちの一つにチャレンジ反応というものがあります。
前回お話した脅威反応は体が強張るのに対し、チャレンジ反応では体がリラックスし、プラスの影響を与えてくれます。
脅威反応については前回のブログでお話していますので、まだ読んでない方はこちらからどうぞ!

チャレンジ反応は別名フロー状態とも呼ばれ、アスリートが「ゾーンに入る」と言われるのもこの状態のことです。
集中力が高まり、最大限のパフォーマンスを発揮できます。
アスリートではない人にはあまり関係の無いことだと思われがちですが、日常生活でもこのチャレンジ反応を活用できる場面はたくさんあります。
例えば、面接や試験、スピーチや営業、デートの時など、ここぞ!という大事な場面こそチャレンジ反応を活かすチャンスです!

◆リラックスよりストレスが役に立つ

多くの人はプレッシャーを感じた時にはリラックスした方が良いと思っています。
しかし、プレッシャーのなかで実力を発揮するにはリラックスするよりもストレスを感じた方が良いという研究結果がいくつも出ています。

例えば、学生を対象に “ストレスホルモンの量とテストの点数の関連性” について実験が行われました。
2つのグループに分け、1つのグループには「ストレスは成績に良い影響をもたらす」と説明をしテストを実施しました。
結果、説明を受けた学生のうち体に強いストレス反応が出た人ほどテストの点数が高かったというデータが出ました。
このストレス反応こそチャレンジ反応です。
プレッシャーを感じた上で「ストレスは役に立つ」という考えを持つと最大限の力が発揮できるということです。

ストレス∔チャレンジ反応=最大限のパワー発揮
方程式で見るとこんな感じですね!

◆緊張や不安は興奮のしるし

さらに、教員と医師を対象に “不安に対する向き合い方が職場での健康状態にどう影響するのか” 一年間の調査が行われました。
結果は「不安は役に立つものであり、不安があった方がエネルギーややる気が湧いてくる」と考えている人ほど、燃え尽き症候群や挫折、疲れが少ない事が分かりました。
これもチャレンジ反応の影響です。

不安や緊張、プレッシャーとは興奮や、やる気の表れです。
大事な場面で力を発揮する為に心臓がエンジンをかけ、心拍数を上昇させて体と脳にたくさんの酸素を送り込み、困難に対処しようとしてくれているのです。

不安や緊張で心臓がドキドキしていたら、「興奮のしるし」だと思い、無理に落ち着こうとするよりも 体中にエネルギーが漲ってくるのを感じましょう!

◆脅威反応とチャレンジ反応の違い

ここまで2種類のストレス反応についてお話しましたが、2つの違いは理解できたでしょうか?
いまいち分からん!という人やもっと詳しく知りたい!という方の為に、2種類のストレス反応の共通点と違いを比較しながら更にご説明していきます!

脅威反応もチャレンジ反応も、行動を起こす為に心拍数を上昇させ、身体が準備をする点は同じです。
しかし、心臓血管系に及ぼす影響に大きな違いがあります。

脅威反応では、危害を予期することで体中の血管が収縮し、体の免疫細胞が活性化されます。
対照的にチャレンジ反応では、運動時のように体はリラックスし、血管は開いたままで心臓の鼓動が力強くなります。血流量が最大になる為、脅威反応よりも大きな力が発揮できます。

その他にも以下の違いが見られます。

【脅威反応】
・身を守る
・恐怖や怒り、自信の無さや屈辱感を感じる
・慢性的な心臓血管炎症の増加や血圧の上昇により老化や病気が促進される

【チャレンジ反応】
・自分の望みを追求する
・不安を感じながらも興奮し、力が湧き、やる気や自信にあふれる
・老化が緩やか、心臓血管や脳の健康状態が優れている、中高年以上の男性の場合はメタボリック症候群の確率が低い、年を取っても脳の萎縮があまり見られない

比較すると、これだけの違いがあります!
実力を発揮したい時には脅威反応よりもチャレンジ反応が役立つということはお分かり頂けたと思います。
ではチャレンジ反応を起こすにはどんな方法があるのでしょうか?

脅威反応をチャレンジ反応に変える方法

ハーバード大学にて、脅威反応をチャレンジ反応に変える実験が行われました。
「社会的ストレステスト」といわれ、参加者達は審査員の前でスピーチを行い、審査員は過度にプレッシャーを与えるというものです。

聞いただけで恐ろしいテストですね(笑)

テストでは参加者たちを3つのグループに分け、スピーチ前にそれぞれ以下の介入をしました。
①テレビゲームをしてストレス発散をする。
②「緊張を和らげて実力を発揮するにはストレスを無視することが有効的」と説明を受ける。
③「不安やストレスの反応は状況に対処するために役立つ」と説明を受ける。

スピーチの前後で唾液の成分を調べ、変化を調べたところ③の「 不安やストレスの反応は状況に対処するために役立つ」 と説明を受けた参加者たちのストレス反応がチャレンジ反応に変わっていることが分かりました。
この実験により、チャレンジ反応を起こすにはマインドセットが有効的であると実証されました。

◆マインドセット

マインドセットとは「無意識の思考・行動パターン」「固定観念や思い込み」「物事を捉える時の思考の癖」のことです。

今回の場合は「ストレスは体に悪い」という思い込みを科学的データをもとに「不安やストレスは体にとって役立つ」という思考パターンに変えました。
その結果、 脅威反応をチャレンジ反応へと変えて不安や緊張を感じながらも最大限の力を発揮することができました。

不安や緊張からのストレス反応は、恐怖ではなく勇気をもたらすエネルギーです。
ストレスによってどんな感覚が生じても、それを無理に打ち消そうと焦らないことです。ストレスが与えてくるエネルギーを利用して、今自分がやるべき事に集中しましょう!

◆自分の強みを認識する

人はストレスの多い状況に直面すると、その状況と自分の力量を天秤にかけます。
どの程度の難しさだろう? 自分には必要なスキルや勇気が備わっているだろうか? 誰か頼れる人はいるだろうか?
このように「必要なもの」と「自分が持っているもの」を無意識に天秤にかけ、自分の対処能力を評価しているのです。
その評価こそ、どのストレス反応が起こるかを決定するカギとなります。
自分の手には負えない状況だと思えば「脅威反応」が起こり、自分の力で対処できると思えば「チャレンジ反応」が起こります。

このことからチャレンジ反応を起こす最も効果的な方法は、自分の強みを認識することです。
例えば、挑戦に向けて自分がどれだけ練習や努力を重ねてきたのかを思い出したり、過去に乗り越えた出来事を思い起こしたり、自分を支えてくれる大切な人のことを考えたりします。
そうすると考え方が転換し、脅威反応からチャレンジ反応へ変わります。

以上、今回はストレスをプラスに活用するチャレンジ反応についてお伝えしました!
いかがでしたでしょうか?
ストレスを避けるのではなく受け入れることで、自信ややる気、エネルギーへと変換することができます。
ぜひストレスを力に変えて、いざという時に役立ててみて下さい(^^)

次回はストレス反応のお話第三弾★愛のホルモン・オキシトシンとストレス反応の繋がりについてお話します♪
ではでは、次回もお楽しみにー!

《参考文献》
Kelly McGonigal, 『The Upside of Stress』神崎 朗子訳, 大和書房, 2015.

担当:岡田

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